ひろき通信(9月号vol.78)では、札幌市の一部の小学校でフッ化物洗口によるむし歯予防の取り組みが開始されることをお伝えしました。
フッ化物は、一般的にフッ素と呼ばれることが多く、このフッ素について危険なイメージを持たれる方もいらっしゃいます。
あまり知られていませんが、フッ素とフッ化物は全く別の物質です。
フッ素は単体で存在しているときの物質で毒性もありますが、他の物質と結合した状態の「フッ化物」は安全性の高い物質で、むし歯予防に使用されているフッ素は、正確には「フッ化ナトリウム」という「フッ素」と「ナトリウム」が結合した物質で、安全性の高いフッ化物になります。
歯科医院でも、フッ化物のことを「フッ素」と呼ぶことが多いため、誤解が生じてしまったのかもしれません。
フッ化物は、自然界にも広く分布しており、土壌や海中だけでなく、海産物や肉、野菜、果物などにも微量ながら含まれています。
ただ、フッ化物にむし歯予防効果があるからと言って、できるだけ多く摂取すれば良いという訳ではありません。
どんなものでも過剰に摂取すれば悪い影響が出る可能性があることから、フッ化物においても適正な量の使用が大切になります。
2024年10月号vol.79
フッ素ではなくフッ化物
2024.10.10