スポーツマウスガードは、オリンピック選手のようなプロアスリートから学生の部活動などでも使用率は広がりをみせています。
スポーツマウスガードは、プレー中の事故や衝撃から歯を守るだけでなく、強い衝撃から脳や顎(あご)を保護し、脳震とうや顎の骨折、顎関節の損傷のリスクを軽減することが出来ます。
子どものスポーツにおいては、競技中の強い接触は少ないので、歯が割れるなどの口腔外傷よりも、脳震とうに注意が必要です。
2020年には、イングランドサッカー協会が「11歳以下のヘディングは原則禁止」という規定を定めました。
子どもは、頭部の質量が小さく頭部を支える十分な筋力も備わっていないため、ヘディングによる衝撃が大きくなり、脳震とうリスクも高くなることが分かっています。また、世界一影響力があると言われている臨床医学ジャーナル「The New England Journal of Medicine」では、プロサッカー選手が高齢になったときに、認知症など脳の神経変性疾患で死亡する頻度が通常の3.5倍高かったという研究結果も公表されています。この研究結果とヘディングの因果関係は不明な点もありますが、スポーツに打ち込む子どもの安全を守ることも、私たち歯科医療従事者の取り組みの一つです。