今年の1月に、歯科関連の4つの学会が、フッ素配合歯磨きペーストの新たに推奨する利用方法について発表しました。
フッ素の濃度は「ppm」という単位で示され、これまでは歯が生えてから5歳までは500ppmの使用量でしたが、新たに推奨されたフッ素濃度は1,000ppmとなりました。
また、6歳以上は成人や高齢者と同様の1,500ppmとなりました。
世界歯科医師連盟やWHOなどの国際組織では、以前から年齢に問わず1,000ppm以上のフッ素配合歯磨きペーストの使用を推奨していましたが、日本だけが低い基準で定められていました。
歯磨きペーストをそのまま大量に飲み込むなどの摂取方法は、急性中毒のリスクもあるので注意は必要ですが、フッ素は土壌で育つ野菜や果物、魚介類や海藻類にも含まれており、FAO(食糧農業機構)は、必須栄養素としている安全性の高い成分です。
フッ素濃度が500ppm上がるとむし歯予防効果は6%上昇し、フッ素濃度が1,000ppmの場合のむし歯予防効果は23%だったのに対し、1,500ppmでは29.6%となっています。
新たな推奨フッ素濃度によって、セルフケアで得られる効果が大きくなることを期待しています。