がんや心臓病などに次いで、特に高齢者の死亡原因として多いのが肺炎です。
高齢者の肺炎の75%は、食べ物や飲み物、だ液などが誤って気管や気管支内に入り、肺に細菌が慢性的に流れ込むことで生じる誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)であるという報告もあります。
肺炎を予防するためには、歯磨きなどでお口の中を衛生的に維持していくことが大切と言われており、昨年の米国医師会関連の内科の医学誌では、歯磨きの肺炎予防効果を検証した論文が掲載されました。
検証では、入院中の患者さんを対象に、これまでの15の臨床試験データをまとめて解析し、毎日歯磨きを行なった場合と歯磨きをしない場合を比較しました。
検証結果では、毎日歯磨きを行なった場合は、肺炎のリスクが約3分の1まで低下し、集中治療室における死亡のリスクも約2割低下していました。
また、この肺炎予防効果は、特に人工呼吸器を装着しているような重症の患者さんで強く認められました。
歯磨きによってお口の健康を維持することは、肺炎など大きな病気の予防にもつながります。
2024年6月号vol.75
歯磨きで肺炎予防
2024.8.30