オートファジーという言葉をご存知でしょうか?
「オートファジー」は、ラテン語で”食べる”という意味の「ファジー」に「オート(自ら)」をくっつけた造語で、細胞が内部の物質を分解して再利用する仕組みとして知られてきました。
生命の基本単位と言われる細胞ですが、人間は37兆個の細胞からできており、細胞には人間と同じような社会構造があります。
細胞の世界を社会に例えると、工場や病院、発電所、交通網があり、そこで働く「人」に当たるタンパク質がオートファジーを促進させる重要な役割を持っていると考えられていました。
「オートファジー」の研究者でもある大阪大学大学院生命機能研究科の吉森保教授は、オートファジーは病気に深く関わるだけでなく、ルビコンというタンパク質が老化に関係していることを発見しました。
吉森教授が発見したルビコンは、タンパク質でありながらオートファジーにブレーキをかけ、老化や病気にかかりやすくし、加齢とともに増加することも判明しました。
ルビコンを抑制することが健康寿命に大きく関わるため、適度な運動習慣や高脂質食やカロリー過多に気をつけた食事、就寝前の間食を控える生活が大切です。
2024年8月号vol.77
老化の原因ルビコン
2024.8.30